2025.1.31

健康経営 福利厚生

【健康経営担当者・経営者必見】 理学療法士が教える実践型メンタルヘルス不調の予防法3選

健康経営 福利厚生

近年、労働者の「メンタルヘルス不調」がトピックスとして挙げられることが多くなっております。

2024年にパーソル総合研究所が実施した「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」によると、過去3年以内に治療なしでは日常生活が困難なほどのメンタルヘルス不調を経験した正規雇用者は、14.6%と報告されています。

正規雇用者のメンタルヘルス不調経験率
パーソル総合研究所(2024),若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査より引用

男女ともに、20代の生産世代の中心を担う年齢層に、メンタルヘルスの不調を訴える割合が多いことがわかります。

また、過去3年以内のメンタルヘルス不調経験者のうち、勤務先を退職したのは、25.3%おり、その内訳として、20代は35.9%と他年代と比べ非常に多く、退職しやすい傾向にあることが報告されております。

正規雇用者のメンタルヘルス不調経験率
パーソル総合研究所(2024),若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査より引用

生産世代の20代の社員が退職することは、企業に取って大きな損失となることは間違いありません。

メンタルヘルス不調においては「予防」「ケア」が重要であり、本記事ではメンタルヘルス不調を防ぐために効果的な方法をご紹介させて頂きます。上記のような問題点でお悩みの経営者の方々に役立つ内容となれば幸いです。

労働生産性に大きな影響を与えるメンタルヘルス不調とは?

メンタルヘルスという言葉の定義

「メンタルヘルス」とは身体面の健康状態ではなく、心の健康状態を表します。

世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルスの定義を、

「すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、 生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態」としています。

メンタルヘルスの悪化により、生産性が失われ、効率的に働くことが出来なくなるのは当然のこと、身体、行動、感情、人間関係等にまでも悪影響を及ぼしていきます。

メンタルヘルス不調が労働生産性へ与える影響は?

働く多くの人々にとって、メンタルヘルスと仕事は密接に関係しています。 
WHOによる、職場のメンタルヘルス対策ガイドライン(2022)によると、労働可能年齢の成人15%いずれかの時点で精神疾患を有していると言われております。

労働可能年齢の約6人に1人はメンタルヘルス不調をいずれかの時点で有しているのは、意外に多い数値と感じるかもしれません。

また、メンタルヘルス不調は、不調を有する当事者以外にも影響を与えます。

先述した「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」より、メンタルヘルス不調になった部下の対応をした管理職の4〜5割が、業務上や精神面の負担が大きかったと回答している調査結果も報告されております。

部下対応の課題としては、

  • ◉他のメンバーの業務量増加(35.2%)
  • ◉業務の調整負担(26.2%)
  • ◉予兆が見抜けない(20.8%)
  • ◉仮病が疑われる16.6%)

これらが挙げられております。

正規雇用者のメンタルヘルス不調経験率
パーソル総合研究所(2024),若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査より引用

メンタルヘルス不調は、不調になった当事者はもちろん、第三者の労働生産性にも影響が及ぶことを、企業としては理解する必要があります。

メンタルヘルス不調はどのように対策する?

ここまで、メンタルヘルス不調が労働生産性に及ぼす影響について説明させて頂きました。
次に、メンタルヘルス不調に対してどのような対策が必要なのかを説明させて頂きます。

メンタルヘルス対策の取組事例集(2020,厚生労働省)では、メンタルヘルス対策を大きく分けて、3つの「予防」分類と、4つの「ケア」分類に分けてまとめております。

3つの「予防」

予防は、目的によって分類されています。

一次予防(未然に防止)

メンタルヘルス不調が生じる前から未然に防止する取り組み。

二次予防(早期に発見)

メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う取り組み。

三次予防(職場復帰支援等)

メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援等を行う取り組み。

4つの「ケア」

ケアは、実施主体によって分類されています。

セルフケア

労働者自身で行う取組。自分で行うストレス解消方法。
ex) 睡眠時間の確保、サウナに入る、散歩をする、ジムに行くこと。

ラインによるケア

ライン(直属の上司や管理者)による取組。
ex) 上司や管理者が、直属の部下の小さな変化に気づくこと。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

産業医・衛生管理者・保健師等による取組。
ex) メンタルヘルスケアの専門家を企業内に常駐させ、サポートを受けやすい環境を作る。

事業場外資源によるケア

事業場外の機関・専門家による取組。
企業内に常駐せず、いつでも専門家に相談できる環境を作る。
ex) 医療機関や保健所などの地域保健機関、従業員支援プログラムを活用する。

メンタルヘルス不調を未然に防ぐために効果的な3つのこと

これまで、メンタルヘルス不調による「労働生産性への影響」と、「予防」「ケア」について解説しました。では、メンタルヘルス不調を未然に防ぐには具体的にどのようにしたら良いのでしょうか?
代表的な例を3つあげさせて頂きます。

定期的なストレスチェックを行う

厚生労働省の運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳では、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」を公開しております。

本人は、「メンタルヘルスの不調などないだろう!」と思っていても、思わぬところでリスク因子を拾っている可能性があります。

このようなチェックを月1回など期間を決めて、企業として定期的に行う習慣を設定するようにすることが、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことに繋がります。

※チェックは下記から可能です↓
「5分でできる職場のストレスセルフチェック」

社内コミュニケーションを活発にする

社内コミュニケーションを活発にすることも、メンタルヘルス不調の予防には有用な手段です。
リモートワークが多くなる昨今の働き方では、従業員の小さな変化に気づくことが難しくなります。

上司とのコミュニケーション、部署内でのコミュニケーション、社内全体でのコミュニケーションを活発にしていくことで、従業員の小さな変化に気づく環境作りも重要です。

身体を動かす習慣を取り入れる

メンタルヘルスというと、直接的にメンタル面からの影響が重視されがちですが、フィジカル面からも影響を受けることが多くあります。

「身体活動」と「うつ症状・うつ発症」との関連を検討したメタアナリシス(Pearce et al,JAMA Psychiatry,2022 ※1)によると、身体活動量の推奨量(週2.5時間の速歩き相当)を満たしている人は、「うつ症状・うつ病」を発症する可能性が25%低いことが示されています。

推奨量の半分だけで満たしていても、18%低いことがわかりました。

※1 武田典子(2024)「ストレス&ヘルスケア No.253 身体活動・運動とメンタルヘルス」公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター ストレス科学研究所,p3

このことより、身体活動の実施はメンタルヘルス不調を予防することにつながるということがわかります。

メンタルとフィジカルの関係性

運動がメンタルヘルスに与える影響

「運動」が「抑うつ改善」に及ぼす詳しいメカニズムについては、まだ不明の点が多いようです。
現時点でわかっているものとしては下記の仮説があげられます。

◆生理学的仮説
 モノアミン仮説(monoamine hypothesis)  ※ドーパミン、アドレナリン、セロトニンの影響
 エンドルフィン仮説(endorphin hypothesis) ※ランナーズハイ
 体温仮説(thermogenic hypothesis)

◆心理学的仮説
 気晴らし仮説(distraction hypothesis)
 自己効力感仮説(self-effi cacy hypothesis)
 統制感仮説(mastery hypothesis)

永松俊哉(2013),抑うつ改善に及ぼす運動の効果,The Japanese Society of General Hospital Psychiatry,Vol. 25, No.3

まだ、明確なメカニズムが立証されておらず、さらに研究が進んでいく分野であると言えます。

ストレッチもメンタルヘルス不調の改善につながる?

では、身体活動の内容についてですが、ストレッチではどうでしょうか?

甲斐ら(2020)※によると、日本人女性の更年期症状と抑うつに対して、 3週間毎日10分間のストレッチを行ったところ、抑うつだった参加者の41.7%は、実施後に正常な状態に回復したことが報告されております。

※甲斐ら(2020),中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対する ストレッチの効果:ランダム化比較試験 ―Menopause に掲載された英語論文の日本語による二次出版―,体力研究 BULLETIN OF THE PHYSICAL FITNESS RESEARCH INSTITUTE  No.118,p18-26

運動というとハードルが上がってしまうと思いますが、ストレッチのような軽度な運動でも、メンタルヘルス不調改善への効果は高いと言えます。

まとめ

従業員のメンタルヘルス不調は生産性に直結するため、企業として解決する必要があると考えている企業も増えています。特に「予防」と「ケア」が重要であり、企業として取り組むことが、結果的に企業の業績向上・持続的成長へと繋がります。

・メンタルヘルスケアの専門家によるサポート
・フィジカルケアの専門家によるサポート

上記のようなサービスを企業内に導入することが、企業の成長につながる事例が増え始めています。

弊社では、企業内に出張し、社員様の身体状況をチェックした上でストレッチを提供し、身体的不調を改善するサービスを提供させて頂いております。

まずは、自社の職場環境のチェックやニーズのチェックも含め、無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。

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