2025.6.12

健康経営 女性活躍推進 女性の身体の悩み

【女性活躍推進】女性の身体におけるリモートワークのメリットデメリット

健康経営 女性活躍推進 女性の身体の悩み

コロナ禍により、多様な働き方が増えました。その中でも大きな変化を起こしたのがリモートワークです。リモートワークによって、場所を選ばず働くことができるようになり、子育てや介護などの役割を担っている女性にとって、場所を選ばずに働くことができ、働く時間の調整などもしやすくなりました。女性活躍推進を進める上で、働きやすい環境を整えることや身体の健康を守ることは企業側にとってはとても重要な課題になります。リモートワークのデメリットもあり、これに対する対策なども考えていかなければなりません。今回はこのコラムでリモートワークのメリット・デメリットを解説していきます。

女性の活躍推進に必要な多様な働き方

女性活躍を進める上で、女性の働きやすい環境を整えることはもっとも重要な課題になります。

1. 柔軟な勤務制度の導入

リモートワーク
場所にとらわれず働ける環境を整えることで、育児や介護との両立がしやすくなる

フレックスタイム制度
勤務時間を柔軟に設定できることで、個々のライフスタイルに合わせた働き方が可能。

2. キャリア形成の支援

女性管理職の登用
女性のリーダーシップを促進し、意思決定の場に多様性を持たせる。

研修・学び直しの機会提供
スキルアップの機会を増やし、長期的なキャリア形成を支援。

3. ワークライフバランスの向上

育児・介護支援制度
育児休業や介護休業の取得を促進し、仕事と家庭の両立を支援する。

長時間労働の是正
労働時間の短縮や休暇取得の促進により、働きやすい環境を整える。

4. 企業文化の変革

ジェンダーバイアスの排除
性別に関係なく能力を評価する仕組みを構築する。

ダイバーシティ推進
多様な価値観を尊重し、誰もが活躍できる職場環境を作る。

5. 女性の健康課題に対する積極的な取り組み

休暇制度
生理や更年期などによる女性特有の不調に対する制度。

相談窓口の設置
健康に関する悩みを気軽に相談できる環境を整える。

社内研修の実施
女性特有の健康課題についての知識を深め、職場全体で理解を促す。

このように女性活躍を推進する上で女性の働き方や健康を支援する取り組みは増えてきており、以前よりも働きやすい環境が整えられてきています。働く環境が整えられ、働く女性が増え長く働くことができることで女性の管理者の登用にもつながってきます。これは、組織内でプレゼンスが高まることで、昇進やキャリアの成長の機会が広がるためです。一方でそれぞれこうした制度に対するデメリットや課題もあります。例えばリモートワークに関しては多くの課題が存在します。

リモートワークのメリット・デメリット

メリット

1.通勤時間の削減
移動時間がなくなるため、その分の自由な時間にあてることができる。企業側も交通費のコストの削減などが可能となる。

2.柔軟な働きやすさ
自分のペースで、好きな場所で働くことができ集中力が上がる。

3.コスト削減
企業側はオフィスのスペースの確保や設備の維持費のコストや通勤費などを抑えることがkできる。

デメリット

1.コミュニケーション不足
しっかりとした対策を取る必要があり、コミュニケーション不足による生産性の低下なども認められる場合もある。

2.自己管理の困難さ
オフィス勤務では、始業と終業時間が明確ですがリモートワークでは自分でスケジュールを管理し調整が必要となる。

3.プライベートと仕事の境界線が曖昧
オフィスと自宅の区別がなくなるため仕事時間とプライベートの時間が混合しやすくなる。仕事の時間を明確にし通知管理をすることや休息時間を意識的に取るなど、対策が必要となる。

4.運動不足になりやすい
通勤時間がなくなることで歩数が30%の減少するなどのデータもみられ、アンケート調査にもリモートワークが始まってから運動量が格段に低下したと回答する人が約7割にも及ぶことも示されている。
テレワークの常態化による労働者の筋骨格系への影響や  生活習慣病との関連性を踏まえた具体的方策に資する研究

リモートワークによる女性の健康課題

スポーツ庁は2023年度の体力・運動能力調査の結果を公表しており、30〜40代女性の体力は過去25年間で最低水準を記録しており、週1日以上運動する割合も3〜4割と低い結果となっています。

リモートワークが行える環境であることは、特に女性の働きやすさを考えるととても重要な項目となりますが、健康課題も無視することはできません。実際にこの年代は仕事が多忙であることや育児を担う世代でもあるため時間的な制約があることも運動習慣を取り入れるハードルの一つになっていることも考えられます。

運動不足による、影響はどのようなものがあるのかを解説していきます。

1.運動不足による骨量の低下

10代、20代では痩せ思考や運動量の低下により骨量や筋肉量の低下のリスクが挙げられ、30代~40代でさらに運動量が最も低いことを考えると骨粗しょう症のリスクなども大きく影響をされてしまうことが考えられます。
思春期や若年期に運動を行い、骨や筋肉・体力をつけることは将来的な骨粗しょう症のリスクを減らすことができると研究などでも報告されています。

2.糖尿病のリスク

リモートワークでは一日の歩数が多くても3000歩程度と、厚生労働省が病気の予防として推奨している8000歩を大きく下回っていることが調査結果によりわかりました。骨量の低下だけでなく、日頃の運動不足は糖尿病のリスクが高まることも指摘されています。
運動は糖尿病のリスクの予防と改善に非常に効果的な手段であるとされています。特に有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることでインスリンの働きを改善し血糖値を下げる効果が期待できます。

3.生理痛やPMSの症状の悪化のリスク

筑波大学などの研究(※)によると、運動習慣のない若年女性と運動習慣のある若年女性を比較した結果、症状の重症度に影響を与える要因が異なることが明らかになりました。
運動は エンドルフィン(幸福ホルモン) の分泌を促し、ストレス軽減や気分の安定にも役立つため、PMSの精神的な症状(イライラや気分の落ち込み)を和らげる効果が期待できるとされています。
※筑波大学月経に関連する困難症状の重症度に影響する要因は運動習慣によって異なる

4.更年期症状の悪化のリスク

更年期症状と運動不足には密接な関係があることが研究で示されています。例えば、女性ホルモンの エストロゲン には筋肉の再生機能を助ける働きがありますが、更年期に入るとエストロゲンが減少し、筋力の低下が加速することが分かっています。その結果、疲れや不眠、気分の落ち込み、肩こり、腰痛、むくみ などの症状が現れやすくなります。また、適度な運動は 血流の改善やストレス軽減 に役立ち、更年期症状の緩和につながる可能性があります。特に ウォーキングや軽い筋トレ、ストレッチ などの運動は、血管運動神経症状(ほてり、発汗、手足の冷え、息切れ)の改善に効果的とされています。
中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対する ストレッチの効果:ランダム化比較試験

企業ができる対策事例/個人ができる対策

【企業事例】

企業事例

株式会社オトバンク、Crevo株式会社、株式会社ベアテイル、株式会社MUGENUP
「オンラインヨガ教室」を開催。リモートワークに積極的に取り組んでいるIT企業4社による運動不足解消への取り組み。4社合同

株式会社アジャイルウェア
運動量を計測できるスマートバンド(ウェアラブル活動量計)を全社員に配布し目標達成に応じた手当を支給するという取り組みを行っています。

運動器具や健康グッズの配布
健康グッズを配布することで運動のハードルが下がり、従業員の健康意識が高まります。

【個人事例】

ウォーキングを始める
通勤時間がなくなった分、毎日10分程度、歩数で言えば1000歩程度でも歩くことが大切です。手軽に始められるので、お昼休憩の時間にお散歩に行くことや、始業前の10分でも比較的意識すれば簡単に始められることができます。

ストレッチを行う
硬くなった筋肉を意識的に伸ばす運動を取り入れます。筋肉への循環が高まりコリの解消につながったり、副交感神経が優位になりやすいためリラックスにもつながりメンタルの不調にもよいとされています。

筋トレを行う
筋トレを行うことで筋肉量が増え、血流改善の効果が期待できます。特に女性は筋肉量が男性よりも少ないため、筋肉量が少ないことによる不調などもあるため正しい方法でトレーニングを行うことがおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?リモートワークにおけるメリットも多くありますが、今回は運不足における身体の不調について解説しました。何をする上でも体が資本です。働きやすい環境でも健康を害してしまっては元も子もありません。ぜひ運動習慣を取り入れて、健康を維持していきましょう。弊社ではストレッチやエクササイズなどのグループセッションはもちろん、ワークショップやウェビナー開催なども大変ご好評いただいております。お気軽にお問い合わせください。

〈記事執筆〉

熱海 優季

【保有資格・修了】
理学療法士免許
アメリカ理学療法士協会認定「骨盤底の理学療法Level1」修了

【執筆】
『女神筋(骨盤底筋)が目覚める! 「女性のヨガと子宮の整体法で女性の不調と悩みを解決! 」』
『女性の不調と悩みを解決!! 女性のヨガと子宮の整体法』

【取材掲載】

  • ◉もっと健康に、もっと美しく 日経ヘルス2015年1月号
  • ◉セラピスト 2014年12月号 DEC. vol.76 子宮の機能を高める
    「整体」+「セルフケア」 骨盤底筋群と骨盤の総合ケアで婦人科系トラブルを一掃! 監修
  • ◉セラピスト2013年12月号 DEC vol.70 「セラピー」+「国家資格」で夢・想いを叶える
  • ◉アイセイ薬局2015年冬号 ヨガで快尿

これまで延べ20,000人のリハビリや運動指導に携わり、ウィメンズヘルスの分野では専門家や一般向けの講演件数100件以上、上場企業などでのセミナーも開催。

新人時代に出会った患者様の『生理が始まってから1度も自分の身体が健康だと思えた日がない』という言葉に衝撃を受け、ウィメンズヘルスの領域を専門に学び始める。現在は産前産後の女性や生理関連の不調、更年期など女性特有のライフステージの変化に伴う身体の不調に対して運動指導や施術などを行っている。

また女性向けの健康経営にも携わり、コンテンツの作成や、ヘルスリテラシー向上のために企業で働く従業員向けのウェビナーやイベントなども実施。自身も3児の母。

弊社では、国家資格を保有している理学療法士や作業療法士が運動指導やヘルスリテラシー向上のための研修、オフィスに出張してストレッチや施術を行うサービスなどを行っております。数名の企業から大企業まで、業種問わず、良い評価をいただいております。

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