2026.1.31
健康 セルフケア【冬の血圧急上昇に注意!】「リセット運動」で血管を守るコツを理学療法士が解説
「年末年始は忙しくて、運動も全然しなかった、、」
「冬は寒くて運動できない、、」
冬場においては、家でゆっくりと過ごすことが多く、運動不足になりがちであり、血圧の急上昇のリスクが多くあります。
本記事では、理学療法士の立場から、
- ◉なぜ「冬」の血圧は危険なのか?
- ◉冬の「いきなり運動」のリスク
- ◉理学療法士が推奨する「3つのリセット運動」
- をご紹介致します。
目次
①なぜ「冬」の血圧は危険なのか?
前回の記事では、「オフィスワーカーが高血圧になる理由」と「高血圧に運動が効果的な理由」を解説致しました。
それらを踏まえ、今回は「冬」と「高血圧」の関係を考えてみます。
要因①:お正月料理の「塩分」と「糖分」
32か国52集団、1万人超を対象に行われた、食塩と血圧に関する国際共同研究(1988)では、食塩摂取量が多い集団ほど「平均血圧が高い」事が報告されています。1)
塩分が多くなることにより、循環血液量が増えます。
その結果、血管というホースの中の水の量が増えてパンパンになることをイメージ頂くとわかりやすいかと思います。
日本人がお正月に食べる料理の代表例として、
- ◉おせち料理
- ◉お雑煮
- ◉寿司
- ◉すき焼き
等の様々な豪華な食事が並ぶことが多いと思います。

これらは美味しさのオンパレードであるとともに、塩分のオンパレードでもあるのです。
特に、おせち料理は日持ちすることを考え作られているため、
- ◉数の子
- ◉昆布巻き
- ◉煮しめ
- ◉かまぼこ
等を始めとした品目には、多くの塩分が含まれています。
そのため、お正月においては「過度な塩分摂取」による高血圧に注意する必要があります。
要因②:寒さによる「血管の収縮」
人間の身体は寒さを感じると、皮膚の末梢血管を収縮させ、血管を細くして血流が流れにくい状態となります。

Auda Fares(2013)によると、血圧と外気温の間には関係があり、最も高い血圧は「寒い気温」で記録され、最も低い血圧は「暖かい気温」で記録されることがわかっています。2)
冬季においては夏季よりも、より高血圧に注意をしなくてはなりません。
要因③:仕事復帰による「急なストレス」
年末年始や正月を挟む冬場においては、心身ともにリラックスモードの状態が続きます。
副交感神経が優位な状態では、血圧は下がりやすい状態となります。
しかし、仕事の開始とともに、戦闘モードの交感神経優位な状態に一気に切り替わり、心拍数増加と血管収縮が持続的に起こり、高血圧になりやすい状態となります。

この、副交感神経から交感神経への「急なストレス」が、高血圧を招き、身体に大きな負担をかけます。
②冬の「いきなり運動」のリスク
冬には、多くの高血圧の要因があることがわかりました。
記事をお読みの皆様も「何かしなければ。。」と思っている事と思います。
ですが、冬に「いきなり運動」をすることには高いリスクがあり、それを知った上で運動を行わないと、高血圧を招くだけでなく、心疾患や脳卒中といった重大な疾患のリスクにもなります。
以下、冬に運動をする際の「リスク」「注意点」について解説します。
リスク①:寒さによる「血管と心臓への過負荷」
Tiina M(2018)によると、「寒冷環境」と「運動」の組み合わせは、それぞれが心血管系への負担を増加させるため、注意が必要であると述べられています。3)
心血管疾患がある方はもちろんの事、健常な方々にとっても、「寒冷環境」と「運動」の身体的負担は強くなります。
対策として、
- ◉一気に心拍数を上げるような運動をしない。
- ◉屋外よりも室内のジム等での運動に切り替える。
- ◉屋外で運動する場合は、念入りなウォームアップで体温や心拍数をしっかりと上昇させてから運動を始める。
これらが挙げられます。
ウォームアップは軽視しがちですが、自らの身体を守るためには非常に重要です。
リスク②:いきみによる「血圧の上昇」
よく、「重い荷物を持つ時」や「重いドアを押し開ける時」に”いきもう”として、「フンッ」と息を止めることはありませんでしょうか?

この何気なくやっている、呼吸を止めて力を入れる手法を、「バルサルバ法」といいます。
バルサルバ法は、「力を入れるときにあえて息を止める」ことで、
- ◉体幹を固めて、背骨全体を安定させる
- ◉背骨の間にある椎間板への負荷を軽減させて腰の怪我を防ぐ
このような効果があります。
そのため、高重量を扱うウエイトトレーニング等で用いられる事が多いです。
しかし、上記のようなメリットがある一方、
- ◉高血圧
- ◉めまい
等の副作用が起きやすく、特に「運動に慣れていない方」「久しぶりに運動をする方」は、注意が必要です。
高血圧を防ぐという点においては、基本的に「運動中の呼吸は止めずに行う」ことが重要となります。
リスク③:アルコール摂取による「脱水状態での運動」
年末年始等を挟む冬場においては、どうしても平時よりも「アルコール摂取量」が多くなってしまいがちです。

ご存知の通り、アルコールに利尿作用があり、飲酒をすることにより、「尿量増加」「体液量減少」が生じ、脱水を起こしやすい状態となります。
脱水状態のまま運動を行うと、循環血液量の低下を補うために、心拍数・血圧がより上昇しやすい状態となります。
対策としては、
- ◉アルコールを飲む際に、一緒に同量の水を摂取する
- ◉飲酒後や翌朝に、運動時に「経口補水液」の摂取をする
このような事が有効です。
ただ、経口補水液に関しては、塩分が含まれているので、持病のある方や高血圧の方は、必ず主治医に確認をしてください。
③理学療法士が推奨する「冬におすすめ運動」
これまで、冬の高血圧のリスクや、いきなり運動することのリスクを紹介してきました。
最後に、いつでもどこでもすぐに始められる、理学療法士が推奨する「冬におすすめ運動」をご紹介致します。
1.フロア階段ウォーク
日常の移動をトレーニングに変えます。
下半身の大きな筋肉を使い、関節も大きく動かして筋肉にストレッチが加わる、非常に効率的な運動です。
【実践方法】
オフィスの1フロア分や、駅の階段の1階分を、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使ってみましょう。
時間がないビジネスパーソンにも非常におすすめです。
【注意点】
・膝の痛みや、動悸・息切れが強い場合は無理をしない。

ウォールプッシュアップ
一般的なプッシュアップ(腕立て伏せ)よりも低負荷で、手軽にできる、壁を使ったプッシュアップです。
【実践方法】
①手を肩幅より少し広めに開いて壁につく。(その際少し身体を前傾させて斜めにする)
②肘を曲げながら、胸を壁にゆっくりと近づけ、胸を張る。(息を吸う)
②肘を伸ばしながら、胸を壁から離して、壁をしっかりと押し込む。(息を吐く)
【注意点】
・呼吸を止めないように
・動作中は常に腰を反らないように注意

スクワット
下半身の筋肉をすべて動員する、王道中の王道のトレーニングです。
【実践方法】
①手を肩の高さに挙げる。
②お尻を後ろに引きながら重心を落とす。(息を吸う)
③足を伸ばして重心を上に戻す。(息を吐く)
【注意点】
・呼吸を止めないように
・膝だけの曲げ伸ばしになるのはNG

⑤まとめ
冬場の時期には、紹介したような軽い運動から徐々に始めることが重要となります。
高血圧には、個人の管理不足だけではなく、季節的な要因も大きく関わっています。
会社としては、社員一人ひとりの身体を労ることが、年間の高いパフォーマンスを維持する第一歩となります。
弊社では、理学療法士などの専門家が出張し、社員様の身体状況をチェックした上で、安全かつ効果的な運動習慣をオフィスに定着させるためのサービス(ヘルスリテラシーセミナー、グループセッションなど)を提供しております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
〈参考文献〉
1)Intersalt Cooperative Research Group(1988) , Intersalt: an international study of electrolyte excretion and blood pressure. Results for 24 hour urinary sodium and potassium excretion.
2)Auda Fares(2013) , Winter Hypertension: Potential mechanisms
3)Tiina M. Ikäheimo(2017) , Cardiovascular diseases, cold exposure and exercise
〈記事執筆〉

吉田 亮太郎
【保有資格・修了】
理学療法士
NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
外来整形外科にて数多くのリハビリや運動指導に携わる。
またトレーナーとして、一般層から高校野球選手まで、幅広い層へのトレーニングやコンディショニングの提供を行なっている。
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