2024.7.18

健康経営 福利厚生

【運送業の方必見】ドライバーの座り過ぎによる身体リスクとその対策を解説

健康経営 福利厚生

タクシーやトラックのドライバーは長時間運転することが多く、負担軽減や安心して働ける環境づくりは社員定着や採用においても重要です。

この記事では、ドライバーの座り過ぎによる身体リスクとその対策を解説します。長時間運転の危険性を正しく理解し、ドライバーの座りすぎによるリスク対策に役立ててください。

生産性に影響を及ぼすのは「慢性痛」

働き手の慢性痛は、離職や退職、求職のリスクを高めます。そのため、企業の適切な慢性痛対策が進むかどうかは重要な課題です。

「慢性疼痛の医療経済学的検討」によると、慢性疼痛による労働損失は日本で年間約1兆9,530億円(199億米ドル)に上るとされています。集計されていない就労機会の喪失・低下、家族の介護の負担も考慮すると、慢性疼痛による経済損失は更に大きいと推測されます。

慢性痛により、業務遂行にあたって身体・時間・精神的な困難が生まれるケースは少なくなく、様々な場面で慢性痛の影響は表れます。

タクシーやトラックのドライバーの場合、その具体例は以下の通りです。

◉荷物の持ち上げ
◉作業姿勢の保持
◉運転の困難
◉抑うつやストレスによるパフォーマンス低下
◉遅刻や早退、担当できる業務範囲の縮小

長時間運転による慢性痛の影響で、通常の勤務にも負担感が及ぶと予測できます。そのため、企業として従業員の慢性痛の悩みに寄り添うことが肝要です。

参考:慢性疼痛の医療経済学的検討

運送業は他の業種より座っている

トラックドライバーはその職務の特性上、荷物をお客様へ届けるために、やむを得ず長時間運転を行うケースは少なくありません。

トラック運転者の労働時間等の改善のための基準」からは、トラックドライバーが1日あたり9〜10時間運転しているというデータがあり、長時間運転が一般的な職種であることがわかります。

ドライバーの座っている時間は、他の職種と比較するとどれくらい長さなのでしょうか?

コクヨ株式会社は「最も長く座っている職種」に関する調査を行いました。調査によると、以下が座位姿勢を取る時間が長い上位3職種であるということでした。

◉企画・マーケティング(8時間17分)
◉デザイナー・クリエイター(7時間45分)
◉ITエンジニア(7時間40分)の3職種

この調査では、トラックドライバーの座っている時間が調査の対象とされていません。しかし、先に示した「トラック運転手の労働時間の改善のための基準」と比較すると、トラックドライバーの運転時間の長さは、1位の「企画・マーケティング」よりも長いと分かります。

参考:トラック運転者の労働時間等の改善のための基準
参考:世界で最もイスに座る時間が長いと言われている日本人! “座りすぎ大国”日本の中で最も長く座っている職種は?

5時間以上の座り姿勢は身体に悪影響がある

座っている時間が長いほど死亡リスクや身体の不調に陥るリスクが増加します。

「座位行動」によると、座位行動を取る時間が長ければ長いほど、寿命が短くなるそうです。以下は、座位行動を取る時間寿命が縮むリスクについての表です。

引用元:厚生労働省、「座位行動」座りすぎと寿命の関係

4時間以上8時間未満で2%、8時間以上11時間未満の座位行動で15%、11時間以上の座位行動で40%程度死亡リスクが増加するという結果がわかります。

また、京都府立大学の研究によると、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を保有している方はさらに死亡リスクが高まるということでした。

座りすぎやそれに伴う身体活動の限定が、いかに死亡リスクに影響するかが分かります。

さらに、長時間運転による座りすぎにより、エコノミー症候群に罹患するリスクも高まります。食事や水分補給をせずに、運転を続けることで、血行不良が起こり血液が固まってしまうのです。

その結果、固まった血栓が血管を流れ、肺に詰まった結果、肺塞栓が起こってしまうリスクがあります。

座位行動の長時間は、労働者の様々な健康に悪影響を及ぼすため、身体活動の促進や座りすぎによる痛みへの対策が求められます。

参考:座位行動
参考:【論文掲載】座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する ~その効果は、余暇時間の運動活動量を増やしても、完全に抑制されない~

慢性痛がどのような未来につながるのか

身体活動不足や長い座位時間は、健康リスクを高め、腰痛や肩こり症状にもつながります。また、座位時間の長期化に伴う慢性痛は生活の質(QOL)を損ねるとともに、うつ病や不眠症状等の精神疾患にもつながります。

痛みがストレス要因であるのは言うまでもありません。慢性痛により、情緒や思考力、思考に困難を及ぼしてしまうことはよくあります。

「この痛みが治らなかったらどうしよう」と不安を抱えてしまい、痛みに気をとられ決断や集中が難しくなってしまうのです。

慢性痛や精神面の不調が重なると、うつや自殺念慮、不眠症状を抱えながら痛みと向き合う日々を余儀なく送ることとなります。そのため、慢性痛の影響が重症化していない段階で未然に対策することが望まれます。

身体を予防・改善するための方法

ここまで、慢性痛やドライバーの長時間運転のリスクについてご説明させていただきました。

では、どのようにしてドライバーの健康を守るべきでしょうか?その例は以下の通りです。

◉身体活動や生活習慣の改善を行い対策する
◉ITツール等を活用し効率化する
◉フィジカルケアサービスを利用する

身体活動や生活習慣の改善を行い対策する

長時間運転による健康被害の軽減するには、身体を動かすことや毎日の生活を改善していくことが有効です。

◉軽い体操やストレッチ運動を行う
◉こまめな水分補給を行う
◉アルコールを控える
◉禁煙をする
◉ゆとりのある服装をし、ベルトをきつく締めない
◉かかとの上げ下ろし運動をし、ふくらはぎを軽くもんだりする
◉眠るときは足をあげる

毎日の生活や休憩毎に、こまめな身体のケアを行うことが望まれます。

ITツール等を活用し効率化する

ITツールや業務効率化に役立つツールを利用し、長時間運転を軽減することも有効な対策です。

◉運転時間を可視化できるシステムを導入し、勤怠管理に役立てる
◉荷役分離ができるスワップコンテナ車両を導入する
◉休憩場所の情報を共有し、休憩場所探しの負担を減らす

また、荷主とのコミュニケーションやご積載の防止も時間外労働削減に役立ちます。
トラック運転者の改善事例では長時間運転の改善事例が多数掲載されています。ぜひ参考にしてください。

参考:トラック運転者の改善事例

フィジカルケアサービスを利用する

「腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版」によると、「運動療法が慢性的な腰痛に有効である」という結果が示されました。具体的には、慢性腰痛の症状・QOL・運動機能などを改善できたということです。

後に述べる弊社のサービス「オフィストレッチ®︎」も、ここでいう運動療法に該当します。

「オフィストレッチ®︎」運動療法は整形外科医監修の確かな施術を、専門知識をもった理学療法士が行います。導入企業からの継続利用で高評価を多数頂いており、日頃の慢性痛のリスクの解消に高い効果が期待できます。

参考:腰痛診療ガイドライン2019 改定第2版

身体的負担を減らす施策を補助金で利用する

エイジフレンドリー補助金を活用して、従業員のヘルスリテラシー向上を目指すのも有効な対策です。

エイジフレンドリー補助金は、中小企業労働者の転倒や腰痛を予防するための専門家による運動指導等、労働者の健康保持増進のための取組への補助を趣旨としています。

エイジフレンドリー補助金の対象は、どのように定められているのでしょうか。

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」においては、以下が補助金の対象となります。

出典:「令和6年エイジフレンドリー補助金のご案内」|厚生労働省

また、それぞれの補助の範囲や補助を受けられる中小企業事業者は以下の通りです。

出典:「令和6年エイジフレンドリー補助金のご案内」|厚生労働省

エイジフレンドリー補助額や率は以下の通りです。従業員が健やかに過ごせる環境づくりに役立てましょう。

出典:「令和6年エイジフレンドリー補助金のご案内」|厚生労働省

まとめ

従業員の慢性痛は生産性に直結するため、従来のように個人に任せるのではなく、企業として解決する必要があると考えている企業も増えています。
今年発表されたエイジフレンドリー補助金の活用により、慢性痛の改善に取り組む企業はますます増加するでしょう。

従業員の肩・腰痛などの慢性痛の予防改善には、弊社の「オフィストレッチ®︎」がおすすめです。国内初の整形外科医監修企業向けフィジカルケアサービスで、理学療法士を派遣し、運動指導やヘルスリテラシー向上研修、不調改善のための施術を行っており、数名の企業から5000名以上の規模の企業まで、業種問わず、お喜びいただいております。
(詳細は導入事例をご覧ください。)

また弊社では、サービス導入とともに補助金の申請も同時に行なうことが可能です。まずは、従業員様の状態のチェックやニーズのチェックも含め、無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。
【オフィストレッチお問合せページ】

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