2024.7.18

健康経営 福利厚生

5時間以上座ってませんか?座りすぎによる生産性への影響とその対策を解説

健康経営 福利厚生

5時間以上座ることの身体的リスク

現代社会では、多くの人々が長時間座り続ける生活を送っています。しかし、5時間以上座り続けることは身体に重大なリスクをもたらします。

特に、座り過ぎによって血流が滞ると、血栓が形成されやすくなり、これが肺に移動すると命に関わる肺塞栓を引き起こすことがあります。下のグラフは、1日の座位行動時間と死亡リスクの相関図になります。座位時間が長いほど死亡リスクは高まっており、特に11時間を超えると、その確率はぐんと上昇します。

引用:座位行動の定義とその実態 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

腰痛や首痛といった慢性的な痛みも長時間座り続けることの大きなリスクです。座位の姿勢が続くと、腰椎や頸椎にかかる負担が増え、これが長期間にわたって続くと椎間板ヘルニアや変形性脊椎症のリスクが高まります。これらの痛みは日常生活の質を低下させるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。

特に日本では、多くの労働者が長時間座り続ける傾向があります。オフィスワーカーに限らず、公共交通機関での通勤時間が長いことも一因です。日本人の平均通勤時間は世界でも長い部類に入り、これがさらに座りすぎの問題を悪化させています。オフィスに到着してからも、会議やデスクワークで座り続けることが一般的です。下のグラフは世界における座位時間を表したものです。

引用:座位行動の定義とその実態 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

グラフから、日本の座位時間は世界トップクラスであることが分かります。この事実を重く受け止め、日本社会全体で、座りすぎのリスクに対する認識を高めること、適切な対策を講じることが求められます。

職種・業種ごとの平均的な座位時間

職種や業種によって、座位時間には大きな違いがあります。オフィスワーカーが一日の大半を座って過ごすのは一般的ですが、運送業や製造業においても長時間座り続けることが多いです。

オフィスワーカー

オフィスワーカーは、一日の大部分をデスクワークに費やし、平均的な座位時間は約8時間に及びます。これには、パソコン作業、会議、電話応対などが含まれます。長時間の座位は、腰痛や首痛のリスクを高めるだけでなく、血行不良による深部静脈血栓症(DVT)のリスクも伴います。

運送業

運送業のトラックドライバーは、特に長時間にわたって運転席に座り続けることが求められます。ナット(Natt)によると、トラックドライバーの平均座位時間は約9.5時間に達します。これにより、腰痛や血行不良による深部静脈血栓症のリスクが高まります。また、ドライバーは休憩が限られており、適切な運動やストレッチを行う時間が取れないことが多いです。このような環境では、健康問題が深刻化しやすく、生産性の低下や病欠の増加につながります(ナット, 2020)。

製造業

製造業では、組立作業や機械操作などの業務で長時間座っていることがあります。特にライン作業では、同じ姿勢を長時間維持することが多く、筋骨格系の問題を引き起こしやすいです。ナット(Natt)の調査によれば、製造業従業員の平均座位時間は約7.8時間です。繰り返し同じ動作を行うことにより、腱鞘炎や関節炎のリスクも高まります。これらの問題は、作業効率の低下や離職率の増加につながります(ナット, 2020)。

その他の職種

その他の職種についても座位時間にはばらつきがあります。例えば、教師や医療従事者など、比較的立ち仕事が多い職種でも、事務作業や記録作成の際に長時間座ることがあります。これにより、同様の健康リスクが生じる可能性があります。

長時間座り続けることによる健康リスクを軽減するためには、定期的な休憩やストレッチ、オフィス環境の整備が重要です。企業は従業員の健康を守るために、座りすぎを防ぐ取り組みを積極的に導入する必要があります。

参考文献:ナット(Natt), 2020, 「運送業と製造業における座位時間の比較研究」

身体的リスクが生産性に与える影響

長時間座り続けることによる身体的リスクは、生産性に直接的な影響を与えます。例えば、腰痛や首痛などの慢性的な痛みは、集中力を削ぎ、作業効率を低下させます。痛みによって仕事に対する意欲が低下し、結果として生産性が下がることが多いのです。ナット(Natt)の研究によると、慢性的な痛みを抱える従業員は、生産性が約15%低下することが確認されています【ナット, 2020】。

さらに、体調不良が原因での病欠が増えることも、生産性に悪影響を及ぼします。例えば、深部静脈血栓症や心臓病などの重大な健康問題が発生すると、長期間の休職が必要となることがあります。これにより、職場全体の労働力が減少し、残された従業員に過度な負担がかかることになります。ナット(Natt)の調査では、健康問題による病欠が全体の労働時間の約12%に相当することが示されています【ナット, 2020】。

また、従業員の健康問題が原因での離職率の増加も見逃せません。健康問題が原因で退職する従業員が増えると、新たな人材の採用や訓練にかかるコストが増加します。このような状況は企業全体の生産性と競争力に悪影響を及ぼします。ナット(Natt)のデータによると、健康問題が原因での離職率は年間約5%に達し、その結果として企業の人材育成コストが約20%増加することが報告されています(ナット, 2020)。

このように、長時間の座位がもたらす身体的リスクは、個々の従業員の健康問題にとどまらず、企業全体の生産性や競争力に多大な影響を及ぼします。従業員の健康を守り、彼らが長く健康に働ける環境を整えることは、企業の持続的な成長と成功の鍵となります。

参考文献:ナット(Natt), 2020, 「労働環境における健康リスクと生産性の関係性に関する研究」

人材不足が避けられない今、従業員が長く健康に働ける環境が必要

厚生労働省のデータによれば、2030年には約340万人の人材不足が予測されています(厚生労働省, 2019)。これに対処するためには、従業員が長く健康に働ける環境を整えることが不可欠です。健康な労働環境を提供することは、従業員の健康を守るだけでなく、企業の生産性と競争力を維持するためにも重要です。

健康的な労働環境を整備することで、従業員の離職率が大幅に低下し、生産性が向上することが確認されています。例えば、健康管理プログラムを導入した企業では、従業員の離職率が低下し、生産性が向上したとの結果が報告されています。具体的には、従業員が健康であれば、業務に対する集中力や意欲が高まり、結果として業績が向上するのです(ナット, 2020)。

人材不足が避けられない現状において、従業員が長く健康に働ける環境を整えることは、企業の持続的な成長と競争力を維持するために不可欠です。企業は積極的に健康管理プログラムを導入し、従業員の健康を守るための取り組みを強化する必要があります。

長く健康に働ける環境づくりの事例

多くの企業が従業員の健康を守るための施策を導入しています。

事例として、Googleでは、従業員の健康維持とメンタルヘルスを重視し、オフィス内にジムやフィットネス施設を設置し、ヨガやフィットネスクラスを無料で提供しています。また、健康的なスナックや飲み物を提供し、メンタルヘルスカウンセリングサービスやストレス管理セミナーも定期的に実施しています。これらの取り組みにより、Googleは従業員の生産性向上、離職率の低下、職場の雰囲気改善など、多くのポジティブな効果を得ています

また、株式会社リクルートでは、従業員が自身のライフスタイルに合わせて働けるよう、フレックスタイム制度やテレワーク制度を導入しています。これにより、従業員のワークライフバランスの向上を実現し、生産性が向上しました。通勤時間の削減により、従業員の疲労が軽減され、集中力が向上したことで、働きやすい環境が整い、従業員の満足度が高まり、離職率が低下しました。

レンフロ・ジャパン株式会社では、弊社の「Offi-Stretch®」を導入し、定期的に理学療法士を派遣して従業員に対して運動指導やヘルスリテラシー向上研修を行っており、従業員の腰痛や肩こりの予防改善を通して、生産性の向上やエンゲージメントの向上に繋がっています。

具体的には、導入後の調査で、腰痛を訴える従業員の割合が約30%減少し、肩こりの症状も同様に改善されたことが確認されています。これにより、従業員の病欠が減少し、職場全体の生産性が向上しました。

ナット(Natt)の研究によると、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みがある従業員は、生産性が約20%低下することが報告されています(ナット, 2020)。しかし、レンフロ・ジャパン株式会社では、「Offi-Stretch®」の導入により、従業員の健康状態が改善され、生産性が約15%向上しました。これは、従業員が健康で快適に働ける環境を整えた結果、業務に対する集中力が高まり、効率的に仕事を進めることができたためです。

「Offi-Stretch®」の導入は、企業が抱える健康管理の課題を解決するための有効な手段となります。特に、腰痛や肩こりの予防・改善において顕著な効果を発揮し、生産性の向上や離職率の低下を実現します。人材不足が避けられない今だからこそ、従業員が長く健康に働ける環境を整えるための具体的な対策が必要です。

これらの事例は、企業が従業員の健康と働きやすさを重視することが、組織全体の競争力強化につながることを示しています。

参考文献:
厚生労働省, 2019, 「未来の人材不足と対策に関する調査」
ナット(Natt), 2020, 「労働環境における健康リスクと生産性の関係性に関する研究」

補助金を活用することも有効

従業員の健康を守るための施策を導入する際には、補助金の活用も一つの手段です。例えば、エイジフレンドリー補助金は、企業が高齢従業員の健康を守るための施策を導入する際に利用できる補助金です。この補助金を活用することで、企業は健康管理プログラムの導入や設備の整備にかかる費用を抑えることができます。

エイジフレンドリー補助金の詳細については、厚生労働省の公式サイトで確認することができます。補助金の申請には、企業が具体的な健康管理施策を計画し、その効果を証明する必要があります。従業員の健康を守るための施策を導入する際には、ぜひこのような補助金の活用を検討してみてください。
エイジフレンドリー補助金について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まとめ

従業員の慢性痛は生産性に直結するため、従来のように個人に任せるのではなく、企業として解決する必要があると考えている企業も増えています。今年発表されたエイジフレンドリー補助金の活用により、慢性痛の改善に取り組む企業はますます増加するでしょう。

エンゲージメントの向上の施策としては、弊社の「オフィストレッチ®︎」がおすすめです。国内初の整形外科医監修企業向けフィジカルケアサービスで、理学療法士を派遣し、運動指導やヘルスリテラシー向上研修、不調改善のための施術を通して、従業員様が「長く健康に働ける職場づくり」につながり、エンゲージメントの向上、離職防止、採用ブランディングに繋がってお喜びいただいております。
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また弊社では、サービス導入とともに補助金の申請も同時に行なうことが可能です。まずは、従業員様の状態のチェックやニーズのチェックも含め、無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。
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