2026.2.25
健康経営 福利厚生健康経営は「制度」ではなく「続け方」だった。──3社の現場に学ぶ、無理のない健康経営
働き方が変われば、身体への負荷も変わります。
気づかないうちに蓄積していく疲労や違和感に、企業としてどう向き合うのか。その問いは、業界や規模を問わず、いま多くの職場に突きつけられています。
今回は、働き方も課題も異なる3社の事例から、「続く健康経営」に共通する考え方をひもときます。
■ 西武電設工業株式会社

西武電設工業株式会社は、西武鉄道をはじめとする鉄道関連設備の保守・改修を担う電気設備工事会社です。終電から初電までの夜間作業や突発的な緊急対応が多く、社員の拘束時間が長くなりやすい業界特性を持っています。体力的な負荷が避けられない現場だからこそ、同社では早くから「健康を個人任せにしない経営」が意識されてきました。
健康経営に本格的に取り組み始めたのは約10年前。代表取締役社長の中谷誠氏は、「注意喚起や気合では限界がある」と感じ、感覚ではなく科学的根拠に基づいた健康対策の必要性を強く意識したといいます。特に熱中症対策や長時間勤務への配慮は、現場の安全と直結する重要なテーマでした。
現在は、置き型社食の導入、熱中症対策機器の配布、健康増進室の設置、ワクチン接種費用の補助、健康セミナーの開催など、多面的な施策を展開しています。さらに特徴的なのが、年1回の健康経営アンケートです。社員の声を集め、その結果を必ず翌年度の施策に反映する仕組みを構築しています。
また、健康経営を「制度」で終わらせないため、社長自らが動画でコミットメントを発信。役員も毎月の会議で進捗を共有し、会社全体で取り組みを確認しています。こうした姿勢が、健康経営を特別な取り組みではなく、日常の文化として根付かせてきました。
その結果、同社は健康経営優良法人に8年連続で認定され、2025年にはネクストブライト1000にも選出されています。中谷氏は「目標はブライト500以内。健康経営は企業成長の基盤」と語ります。厳しい業界環境のなかでも、働く人を守ることが企業の力になる——西武電設工業の取り組みは、そのことを静かに示しています。
西武電設工業株式会社:
URL:https://www.seiburailway.jp/densetsu/
■ 株式会社北海道クラウン

働き方が変われば、身体への負荷も変わります。気づかないうちに蓄積していく疲労や違和感に、企業としてどう向き合うのか。その問いが、株式会社北海道クラウンの健康経営の出発点でした。
同社では、営業職と事務職を中心に多くの社員がデスクワークを担っています。大きな事故や病気が起きていたわけではありませんが、腰痛や肩こり、首の不調など、慢性的な悩みを抱える社員は少なくありませんでした。
転機となったのは、2018年以降の採用活動です。応募者から健康経営について、質問されることが増え、会社として明確な姿勢を示す必要性を感じました。そこで、管理部部長の田中氏が中心となり、健康経営プロジェクトを立ち上げました。
最初に取り組んだのは、健康診断後の二次健診受診率の向上でした。費用補助を行い、受診を促しましたが、治療費が自己負担になることへの不安もあり、思うように進まない時期もあったといいます。
状況が大きく変わったのは、40歳以上の社員を対象に実施した心血管ドックでした。検査によって動脈瘤が発見され、早期対応につながった事例が生まれたのです。この出来事は、「健康施策は命を守るもの」という認識を社内に強く根付かせました。
現在では、心血管ドックに加え、脳ドック、がん検診などを段階的に導入。社員の健康意識は高まり、取り組みは家族にも広がっています。健康に関する施策が、社員から自然と提案されるようになったことも、同社の大きな変化です。
株式会社北海道クラウン:
URL:https://hokkaido-crown.jp/
■ 税理士法人いぶき会計

税理士法人いぶき会計が健康経営に力を入れる背景には、業界特有の構造があります。税理士・会計事務所は「人」が価値を生む仕事である一方で、繁忙期の偏りが大きく、特に2〜3月は戦場のような忙しさになることも珍しくありません。お客様のお金や経営に直結する責任の重たい仕事のため、精神的なストレスがかかりやすい業界でもあります。
同法人が健康経営を意識し始めたきっかけは、採用力の向上と人手不足への危機感でした。開業当初は求人を出せば人が集まる時代もありましたが、働き方や健康への意識が高まるなかで、「魅力的な職場であること」をどう伝えるかが重要になってきました。
また、代表自身が勤務していた頃、「修行のような働き方」に疑問を感じていたことも、取り組みの原点にあります。業務災害ではなくても、心身の負担が積み重なれば、長く働き続けることは難しくなります。
現在、いぶき会計では、ワークライフバランスを重視し、「忙しさ(働き方)を選べる職場」を目指しています。業務の仕組み化や人材採用を進め、個人に負荷が集中しすぎない体制づくりに注力しています。
健康経営の効果は、数字としてすぐに表れるものではありません。それでも、「ここなら続けられる」「自分の人生設計を描ける」と感じられる環境を整えることが、結果として人材定着や組織の安定につながると考えています。
税理士法人いぶき会計の取り組みは、健康経営が福利厚生ではなく、人を軸にした経営戦略であることを示しています。
税理士法人いぶき会計:
URL:https://ibuki-accounting.com/
■ 3社の取り組みが教えてくれたこと
3社の取り組みは、健康経営が「何を導入するか」よりも、「どう続けるか」で形づくられることを教えてくれます。現場の過酷さ、デスクワークの蓄積疲労、繁忙期の偏りとストレス——課題は違っても、出発点は共通していました。自社の働き方に目を向け、社員の声に耳を傾け、できることから一つずつ積み重ねる。健康経営は、特別な企業だけのものではなく、日々の意思決定の延長線上で育っていくものなのだと、3社の事例は静かに示しています。
おすすめの資料
3分でわかる!
Offi-Stretch®
Offi-Stretch®の特長やサービスの流れ、ご導入いただいたお客様の声、料金プランなどを詳しくご説明する資料をダウンロードしていただけます。
この資料でわかること
- Offi-Stretch®が実現する働きやすい職場環境
- Offi-Stretch®が必要な理由
- Offi-Stretch®が選ばれる理由
- 導入実績・お客様の声
- 料金プラン
- よくある質問