2025.5.3
健康経営 エンゲージメント【人事になったら知っておきたい】うつ病になりやすい人の性格の特徴3つ
2024年にパーソル総合研究所が実施した「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」によると、過去3年以内に治療なしでは日常生活が困難なほどのメンタルヘルス不調を経験した正規雇用者は、14.6%いると報告されています。

過去3年以内のメンタルヘルス不調経験率
パーソル総合研究所(2024),若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査より引用
正規雇用者の6-7人に1人の割合でメンタルヘルス不調を経験していることになり、すべての労働者が、メンタルヘルス不調になるリスクを持っているということがわかると思います。
このように、正規雇用者の多くがメンタルヘルス不調を経験している背景より、企業としてはメンタルヘルス不調の従業員を出さないための取り組みをしていく必要があります。
本記事では、メンタルヘルス不調の中でも疾患として扱われる「うつ病」を例にとり、「うつ病になりやすい人の性格」の特徴を解説します。
目次
うつ病とはどのような病気か
まずはじめに「うつ病」という病名がありますが、病名の分類が非常に複雑で、類似する疾患が多くあります。
国際疾病分類(ICD-10)によると、うつ病は、大分類では「気分障害」に分けられるとしています。
「気分障害」とは、気分が正常の範囲を超えて、「高揚」したり「落ち込んだり」することが、一定の期間続く精神疾患です。
「気分障害」の中には「うつ病」の他に、「双極性障害」という、うつ状態(気分が落ち込んだ状態)と躁状態(気分が高揚した状態)を繰り返す疾患もあり、症状がにているため、区別が難しい疾患となっています。
2つの気分障害
[うつ病]
(生涯有病率 13.1-17.1%)
1日中気分が落ち込んでいたり、何も楽しめない状態が続いている状態。
[双極性障害]
(生涯有病率 0.24-1.6%)
一般的な気分の波とは大きく異なり、非常に極端に「うつ状態」と「躁状態」を繰り返す。

うつ病の再発率は、60%もあると言われています。
まだ、うつ病・メンタルヘルス不調の従業員がいない状態であれば、うつ病にならないために、すでにうつ病・メンタルヘルス不調の従業員がいる場合は、再発させないために、うつ病の原因について解説させていただきます。
うつ病になる原因は?
うつ病をはじめとする気分障害では、1つの因子ではなく、様々な要因が絡み合うことで発症します。
その因子の有無を把握しておくことが、うつ病の、予防・早期発見に繋がります。
遺伝
ルクセンブルガー(1932)によると、気分障害の疾患を持つ者の子どもに関して、24.4%の割合で疾患の遺伝が見られるとしています。

ライフイベント
家庭や職場、学校の環境の変化がうつ病の発病に関係すると言われています。
思いもよらない小さな環境変化でも、気付いたときにはうつ病に発展する可能性があります。

性格
うつ病の発症には、もともと持っている性格も関与します。
詳しい性格に関しては、次の項目で解説します。

うつ病になりやすい性格について詳しく解説!
うつ病の因子の中でも、本記事では「性格」に焦点を当て、大きく3つの性格に分けて、うつ病との関係も解説します。
メランコリー親和型
「メランコリー親和型」と聞くと、なんだか難しい性格のように聞こえると思います。
この性格の人は、きっと皆さんの職場にもいると思います。
「メランコリー親和型」の性格の特徴は、
◉責任感が強い
◉協調性が高い
◉メンタルの状況を可視化したい
◉仕事熱心である
◉自分を犠牲にして他人に尽くす
◉迷惑をかけたくない気持ちが強く、我慢してしまう
このような特徴が挙げられます。
日本人に非常に多い性格で、皆様の企業におかれましても、当てはまるような方が思いつくかもしれません。
メランコリー親和型の性格とうつ病との関係
メランコリー親和型の性格は、自分を犠牲にしてまでも他人に尽くしてしまうため、限界を超えてしまうとうつ病に発展してしまうことがあります。
職場において、仕事量が多く断れない状況になっていたり、人間関係に過剰に気を使い、心をすり減らしているような社員の方はいないでしょうか?
メランコリー親和型の方は、我慢強く、周囲に迷惑をかけたくない気持ちが強いです。
そのため、自分からは言い出せず、大きな責任を一人で背負ってしまっている場合が多いです。
人事や総務の立場からは、いかに本人が「溜め込んでしまう」状況になる前に、声をかけてあげられるかが重要です。

執着気質
「執着気質」と聞くと、なんとなくこだわりが強そう、固い感じ、などとイメージがつくかもしれません。
「執着気質」の性格の特徴は、
◉まじめで几帳面
◉完璧主義で責任感が強い
◉こだわりが強く、粘り強い性格
◉規律や約束を強く守ろうとする
◉感情を抑え込みやすい
このような特徴が挙げられます。
勤勉な日本人において非常に多く、皆さんの会社でも思い当たる人がいるかもしれません。
執着気質の性格とうつ病との関係
執着気質の性格は、真面目で仕事もできるタイプの人が多いです。
そのため、経営者や人事をはじめとする周囲の人間は、「優秀な人=大丈夫」と、注意深く観察することがすくなくなってしまう傾向があります。
本人は「頑張りすぎてしまう」ことを止められないため、周囲が「頑張りすぎない」方向に誘導してあげることが重要になります。

循環気質
「循環気質」という性格は、聞き馴染みがなく、非常にイメージしづらいと思います。
「循環気質」の性格の特徴は、
◉「気分が明るく社交的な時」と「落ち込んで内向的になる時」が周期的に入れ替わるような性格
◉社交性があり、コミュニケーション能力にも長けているため、仕事ができるタイプとして周囲から認識されている
このような特徴が挙げられます。
気分が高揚しているときは非常に前向きで積極的ですが、気分が沈んだ途端に、「活動意欲が低下」したり、「ネガティブな思考に支配」されたりします。
循環気質の性格とうつ病との関係
「循環気質」の性格では、気分の高揚期に無理をしやすいため、高揚期が終わった途端、反動でかなり疲れが出たり、うつ状態になりやすかったりします。
また、一見して明るく社交的ですが、対人関係に敏感なため、傷つきやすい面を持っています。
そのため、人事や経営者の方々は、その二面性を注意深く観察し、うつ病のリスクを早い段階で取り除くことが必要です。

まとめ
企業にダメージを与える前に「うつ病」の対策が必要
うつ病は再発率も高く、なってしまうと復帰が難しい疾患です。
休職者や退職者を出してしまったときには、既に企業へのダメージは大きなものとなっております。
そのため未然の予防が非常に重要となります。
人事・経営者の皆様は、うつ病における「性格特徴を把握した上で従業員と接する」ことで、メンタルヘルスの不調に関わるサインを早期に発見できると思います。
また、メンタルヘルス不調の予防には、軽い運動やストレッチが有効であることもわかっています。
弊社では、企業内に出張し、社員様の身体状況をチェックした上でストレッチを提供し、身体的不調を改善するサービスを提供させて頂いております。
まずは、自社の職場環境のチェックやニーズのチェックも含め、無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。
参考文献
大熊輝雄(2013)現代臨床精神医学,金原出版株式会社
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