2026.5.19

健康経営

従業員のための働く環境づくり実例集──「健康」「参加」「成長」から考える3社の選択

健康経営

「働く環境を整えること」は、企業にとって最重要のテーマとなりつつあります。
人材確保が難しくなり、働き方や価値観が多様化する中で、規模やフェーズ問わず「選ばれる会社」であるための環境づくりが問われています。

とはいえ、健康経営の認定取得や制度の充実をそのまま真似すればよいわけではありません。重要なのは、自社の規模や業種、社員の特性に合った形で、無理なく続けられる取り組みをどう設計するかです。

本特集では、健康を「押し売りしない」北都システム、社員参加型の仕組みで行動変容を生むミカワリコピー、成長そのものを働く環境と捉えるROYAL YELLOW HLD.の3社を紹介します。
アプローチは異なりますが、いずれも「人を中心に据える」という共通点を持っています。中小企業だからこそできる、現実的で持続可能な環境づくりのヒントを探ります。

「健康は押し売りしない」──身の丈に合った取り組みを続ける、北都システムの働く環境づくり

株式会社北都システムは、北海道札幌市を拠点に、ソフトウェア開発・ITサービスを手がける企業です。社員一人ひとりが安定して力を発揮できる環境づくりを重視し、早くから健康経営に取り組んできました。そのスタンスは、いわゆる「先進的施策」を競うものではなく、「無理をしない」「続けられる」ことを何より大切にしています。

同社が健康経営に本格的に向き合うようになった背景には、IT業界特有の長時間労働や心身の不調への問題意識がありました。ただし北都システムが最初に決めたのは、「健康の押し売りはしない」という方針です。生産性向上を過度に追い求めるのではなく、福利厚生の一環として健康を支える。健康優良法人の認定にも強くこだわらず、あくまで自社の規模や風土に合った形を選んでいます。

象徴的なのが、正社員の保健師を社内に配置している点です。約200名規模の企業で常勤の保健師がいるケースは多くありません。健康診断やストレスチェック、過重労働の確認、産業医との連携までを日常的に担い、社員本人だけでなく、部下の体調に悩む上司からの相談にも専門家として対応しています。「本人にも上司にも、専門家の立場で伝えられる存在がいることが大きい」と総務部では話します。

制度面では、乳がん検診・子宮がん検診など婦人科検診を含めた健康診断の拡充を実施しています。女性社員約40名を含む組織において、女性のエンゲージメント向上を目的とした施策を、特別な予算取りではなく既存制度の見直しで実現してきました。健康施策専用の予算を新設するのではなく、総務体制の拡充という建て付けで保健師を増員し、既存の予算項目と紐づけていく──この現実的な工夫も同社らしさです。

平均年齢35歳と比較的若い組織でありながら、「今後」を見据えた取り組みも進んでいます。休職・復職のルールやフローづくり、再検査を確実につなげる仕組みづくりなど、制度を“用意して終わり”にしない体制整備がテーマです。将来的には健康優良法人の上位ランクも視野に入れつつ、あくまで無理なく続けられる形を模索しています。

北都システムの取り組みは、派手さはなくとも、社員の安心感を着実に支えています。健康を企業の目的や風土にどう結びつけるかの一つの答えが、ここにあります。

株式会社北都システム:
URL:https://www.hscnet.co.jp/

採用と定着を支える「参加型健康経営」──ミカワリコピーがつくる行動変容の仕組み

ミカワリコピー販売株式会社は、オフィス機器・ITソリューションを中心に事業を展開する企業です。従業員95名規模の同社が健康経営に本格的に取り組み始めたのは2022年。背景にあったのは、「採用力の強化」と「従業員の高齢化」という、今多くの中小企業が直面する課題でした。

取り組みを推進しているのは、総務部総務グループのサブマネージャーであり、健康経営担当の逸見様を中心とした社内横断型のプロジェクトチームです。営業や技術部門などからメンバーを集め、「総務だけの施策」にしない体制を整えました。

浸透施策として特に成果を上げているのが、歩数計測アプリを活用したイベントです。単にアプリを導入するだけでなく、歩数を競うイベント形式にし、入賞者には景品を用意。ゲーム性を持たせることで、参加率は約90%に達しました。平均年齢42〜43歳と比較的年齢層が高めな中で、特に年配社員の参加が多く、日常の行動変容につながっている点が特徴です。

また、スポーツジムとの提携も実施し、利用料の半額を会社が負担しています。現在、約2割の社員が制度を利用しており、「使われる福利厚生」として定着しつつあります。無理に全員参加を求めるのではなく、選択肢として用意する姿勢が、結果的に利用率を高めています。

同社では、女性採用の促進や育休を取得しやすい風土づくりにも注力しています。現在の男女比は7:3。経営体制が代替わりし、30代の女性社長が就任したことも、組織文化に影響を与えています。社長自身が子育て中であることから、ライフイベントと仕事の両立が“特別なことではない”という空気が社内に根付きつつあります。

ミカワリコピーの健康経営は、制度の充実そのものよりも、「どう参加してもらうか」「どう楽しんでもらうか」を重視した設計が特徴です。採用強化と定着率向上という経営課題に対し、健康を切り口にアプローチする形態は、中小企業にとって参考になる実践例といえるでしょう。

ミカワリコピー販売株式会社:
URL:https://www.mrnet.co.jp/

成長を前提にした働く環境──ROYAL YELLOW HLD.が描く「やりがい」の設計図

株式会社ROYAL YELLOW HLD.は、「やりがいを創出する」という理念のもと、研修・教育事業を中核に展開する企業です。同社の特徴は、働きやすさや福利厚生を整える以前に、成長する環境そのものを働く環境と捉えている点にあります。

同社には、「将来、独立・起業したい」「自分で事業をつくりたい」という明確な意志を持った若手人材が多く集まります。平均年齢は28歳。企業としても、その志向を前提に、成長して独立できるカリキュラムを用意しています。人の成長を起点に、独立や挑戦を応援する──それがROYAL YELLOW HLD.の環境づくりです。

教育・研修への投資額は、一般的な上場企業の平均である年間約2万円と比べても突出しており、一人当たり年間約40万円を投じています。研修は決して軽いものではなく、「スタンスを明確にする」「願望を言語化する」といった思考面から、具体的な行動・数字に落とし込むところまで徹底しています。

同社が提供する研修は、いわゆるコーチングとは異なり、「数字が上がる」ことを重視しています。金融機関の営業研修など、成果が明確に求められる分野で実績を積み重ねてきました。考え方と行動の質を高めることが、結果につながるという思想が、社内教育・採用・事業のすべての土台になっています。

教えること、育てることは、単なる人材育成ではありません。事業の売上を生み、社内教育を支え、採用の上流にもつながる重要な機能です。成功の仕方は人それぞれでも、成長の仕方には「型」があるという考えのもと、その型を共有することで、個々の挑戦を後押ししています。

ROYAL YELLOW HLD.の働く環境は、安定や快適さだけを求める人には厳しいかもしれません。しかし、「成長したい」「挑戦したい」という人にとっては、これ以上なく整えられた環境です。働く環境づくりの一つの形として、「成長前提」という選択肢を提示しています。

ROYAL YELLOW HLD:
URL:https://royal-yellow-hld.com/

今回ご紹介した3社の取り組みに、共通する「正解」はありません。
健康支援を福利厚生として静かに支える会社もあれば、イベントや仕組みで参加を促す会社、成長と挑戦を前提に厳しい環境を用意する会社もあります。

ただ一つ共通しているのは、自社の目的や風土を理解したうえで、身の丈に合った環境づくりを選択しているという点です。流行の制度を導入することよりも、「誰のために、何を支えたいのか」を明確にし続けていることが、結果として社員の安心感やエンゲージメントにつながっています。働く環境づくりは、完成形を目指すものではなく、組織の成長や変化に合わせて更新し続けるプロセスです。
本特集が、自社にとっての「無理のない一歩」を考えるきっかけとなれば幸いです。

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