2026.5.19

健康経営

「人を大切にする」は、どう形にしてきたのか。──中小企業3社の“働く環境づくり”のリアル

健康経営

採用や定着が難しくなるなかで、「働く環境を整えたい」と考える企業は増えています。
しかし実際には、何から手をつければよいのか分からない、制度を整えても手応えがない、という声も少なくありません。
今回は、業界も働き方も異なる3社の取り組みから、中小企業が実践してきた“等身大の働く環境づくり”を紹介します。

株式会社マルキホームズ

株式会社マルキホームズは、長い歴史のなかで「人が財産である」という価値観を何よりも大切にしてきた企業です。創業から130年以上にわたり事業を継続してきた背景には、時代や事業環境が変わっても、「人をどう大切にするか」という軸をぶらさずにきた姿勢があります。

同社が取り組んできた働く環境づくりは、制度を先に整えるものではありません。まず重視しているのは、社員同士、そして経営陣との日常的なコミュニケーションです。対面でのやり取りを大切にし、従業員と同じ空間で働くことで、小さな変化や声を見逃さない。こうした積み重ねが、働きやすさの土台になっています。

業務面では、担当を個人に固定しすぎないチーム制を採用しています。誰か一人に業務や責任が集中しないようにすることで、業務上の負担だけでなく、精神的・身体的な負荷も軽減されてきました。限られた時間のなかで生産性を高めることを重視し、「無理を前提にしない働き方」を模索し続けています。

福利厚生の面では、車・携帯・パソコンの支給など、働くうえで必要な環境を会社として整備。さらに、社員が扱う商品を割引価格で購入できる制度など、生活に寄り添った仕組みも用意されています。これらは「与えるための制度」ではなく、社員が納得して働ける環境をつくるための手段です。

マルキホームズでは、「素直に、謙虚に、感謝する」という価値観を大切にしています。できない理由を並べるのではなく、できる方法を考える。コロナ禍で業績に影響を受けた際も、その姿勢は変わりませんでした。環境が厳しいなかでも、社員と向き合い、どうすれば前に進めるかを考え続けてきました。

特徴的なのは、退職する社員との関係も大切にしている点です。転職先を紹介し、その後、取引先として新たな関係が生まれるケースもあります。「社員はファミリー」という考え方は、在籍中だけに限られたものではありません。

働く環境づくりは、効率や成果だけを求めるものではなく、人と人との関係性を育てること。マルキホームズの取り組みは、そのことを長い時間をかけて示し続けています。

株式会社マルキホームズ:
URL:https://maruki-homes.com/

ワダカルシウム製薬株式会社

ワダカルシウム製薬株式会社が健康経営に取り組み始めたのは2019年。きっかけは、吉田浩一現社長からの提案でした。今回、健康経営担当者の松本様にお話を伺いました。

企業価値を高めていくうえで、報酬や制度だけでなく、「社員との関係性」をどう築いていくか。その視点から、健康経営が検討されました。

同社はグループ全体で「ウェルネスカンパニー」を掲げており、健康への意識はもともと高い環境にありました。健康診断の受診率は100%、ウォーキングイベントへの参加率もほぼ100%。松本様自身も健康経営アドバイザーの資格を取得し、推進体制を整えてきました。

一方で、健康経営優良法人の取得をゴールにする意識はなかったといいます。重視していたのは、社員一人ひとりが健康を“自分ごと”として考えるきっかけをつくること。その一環として、法的義務のない規模でありながらストレスチェックを実施しました。その結果、高ストレス者が多いという現実も見えてきました。

現在の課題は、KPIなどの定量的な指標を設定できていないことです。「正直、これが何につながっているのか分かりづらい部分もあります」と松本様は語ります。それでも、数値化できないからといって取り組みを止めるのではなく、まずは続けることを優先してきました。
直近では、健康診断の結果をより良くすることに焦点を当て、健康経営メンバー3名で対話を重ねながら、社員が関心を持ちやすいテーマを探っています。

ワダカルシウム製薬株式会社:
URL:https://www.wadacal.co.jp/

不二建設株式会社

不二建設株式会社は、建設業という人手不足・長時間労働の課題を抱えやすい業界において、働き方の見直しを粘り強く続けてきた企業です。健康経営を社内に提案し、推進してきたのは管理部主幹の前江田様でした。

同社では、かつて人に依存した働き方が当たり前でした。しかし、「経営者が時代の変化に対応できなければ、企業は生き残れない」という考え方のもと、働き方を変えていく決断がなされました。
象徴的な取り組みが、残業削減を人事評価制度に組み込んだことです。「残業を減らそう」という掛け声だけではなく、評価に反映させることで、行動そのものを変えていく。こうした取り組みは一朝一夕には進まず、6〜7年という時間をかけて定着してきました。

残業を減らすための工夫は各営業所に委ねられ、その内容を共有することで全社に広げていきました。働き方は、現場作業が約7割、内勤が約3割。身体的な負荷だけでなく、メンタル面や交通災害のリスクも考慮し、2か月に一度、お役立ち情報を発信しています。

前江田様は、「ワークライフバランス」という言葉には違和感があると語ります。人生には仕事に比重がかかる時期もあれば、私生活を優先したい時期もある。多様な人材・ライフステージに合わせ、個別に対応できる仕組みをつくっていくことが、これからの課題だと捉えています。

不二建設株式会社:
URL:https://www.fujikensetsu.com/

まとめ

3社の取り組みに共通していたのは、働く環境づくりを「完成させるもの」ではなく、「向き合い続けるもの」と捉えている点でした。
派手な制度や明確な正解がなくても、自社の現実から目を背けず、人に向き合い続ける。その積み重ねこそが、働く環境を少しずつ変えていきます。
中小企業にとっての環境整備とは、特別な施策ではなく、日々の選択の延長線上にあるものなのかもしれません。

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