2025.6.8
健康 セルフケア【オフィスdeストレッチ】デスクワーカー要注意!腕の硬さが肩こりに繋がる!ー前腕ストレッチ編ー
オフィスワーカーにとって「肩こり」をはじめとした慢性疼痛は、切っても切り離せないものです。
厚生労働省が、2022年に行った国民生活基礎調査によると、国民の4人に1人は「病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)」であると言われております。
上位5症状を見ると、男女ともに「腰痛」「肩こり」が1位、2位を独占しています。
性別にみた有訴者率の上位5症状(複数回答)
厚生労働省(2022年) 国民生活基礎調査概況より引用
慢性的な肩こりは集中力の低下やミスの増加、さらには精神的ストレスを招くと報告されています。
上記の状態が続いてしまうと、企業の生産性は著しく低下し、長期的には業績の悪化等の様々なダメージに繋がってしまいます。
「腰痛」「肩こり」には原因があります。
しかし多くの場合、「肩もみ」や「マッサージ」で終わってしまい、原因に対する対処ができていないのが現状です。
本記事では「肩こり」に対して焦点を当て、その「原因」と「予防のためのストレッチ」をご紹介致します。
目次
「肩こりを治す」には「肩の筋肉をほぐす」だけでは良くならない?
「痛み止めを飲んで対処する」のか「原因ウイルス・細菌に対する治療」をするのか
皆さんは「腹痛」になったとき、どのように対応しますか?
対応する考え方としては大きく2パターンあり、
- ◉痛み(結果)に対する「対処療法」
- ◉ウイルス,細菌(原因)に対する 「原因療法」
上記の2つに分けられます。
痛み止めを始めとする「対処療法」では、即時的に痛みの改善を図ることが可能です。
しかし、痛みの原因である細菌・ウイルスに対してはアプローチができていないため、痛み止めの効果が切れると症状が戻ってしまう可能性があります。
一方「原因療法」では、原因となる細菌・ウイルスに対してアプローチすることができるため、症状の原因を根本から解決することが出来ます。
肩こりになると、首や肩を自分でマッサージしたり、「マッサージ屋」「もみほぐし屋」のようなところに行ったりすることがあるかもしれません。
肩こりに関しても腹痛と同じように、対処療法ではなく原因療法が非常に重要となります。
「腕や手首」の硬さが肩こりに繋がる
肩こりの原因は、「姿勢」「環境」等の原因が様々あります。前回の記事では、胸や背中の硬さが肩こりに関係することを解説させて頂きました。
今回は、「腕や手首の筋肉」に着目してみます。
腕や手首の硬さが肩こりに関係する?
デスクワーク姿勢を考える時、大前提、「背中が丸くなっていないか」「頭は前に出ていないか」という、基本的な姿勢の部分は非常に重要です。
しかし、意外と肩こりと関係ないように思いますが、「腕や手首の筋肉」も、肩こりを考える際に重要なポイントとなります。

デスクワーク姿勢を手の部分に着目すると、キーボードやマウスの操作があると思います。
キーボードやマウスを使用し続けることにより、常に指や手首を動かし続けると、「前腕」と言われる部分の腕の筋肉が硬くなってしまいます。
「前腕」という部分は、もしかしたら初めて聞いた方も多いかもしれません。
非常に硬くなりやすいですが、意外とケアすることは少ない筋肉だと思います。

全身の筋肉は筋膜を介して繋がっている
では、なぜ「前腕の筋肉」が「肩こり」と繋がるのかを紐解いて行きます。
全身の筋肉は筋膜を介して繋がっており、互いに「緩んだり」「引っ張ったり」する関係にあります。
その結果、「前腕の筋肉」の硬さが、筋膜の繋がりを介して、「肩こり」や「胸の硬さ」に影響することも多くあります。
前腕の硬さが肩こりに影響する筋肉のライン3つ
では、前腕の筋肉はどのようにして、肩こりに関係しているのでしょうか。
下記、3種類の筋肉のつながりを説明していきます。
大まかな筋肉のラインを見て頂き、「ここが繋がっているんだ!」ということを少しでも理解していただければ幸いです。
3種類の筋肉のつながりをご紹介します。
Superficial Back Arm Line(SBAL)

SBALは、身体の背面表層を通る筋肉のラインで、肩こりとなる「僧帽筋」から、上腕、前腕を通って手首の方まで繋がっています。
手首を甲(こう)の方に動かす「前腕伸筋群」と主に繋がっており、手首をそらしながら行い続けるキーボードやマウスの動作で硬くなりやすい筋肉です。
「前腕伸筋群」の硬さが、肩こりの筋肉である「僧帽筋」まで影響してしまうことがあるため、過度な硬さを作らないことが重要です。
Superficial Front Arm Line(SFAL)

SFALは、身体の表層前面を通る筋肉のラインで、胸を丸くしてしまう大胸筋から、上腕、前腕を介して手首の方まで繋がっています。
手首を掌(てのひら)の方に動かす「前腕屈筋群」と繋がっており、こちらも長時間のキーボードやマウス動作で硬くなりやすい筋肉です。
「前腕屈筋群」の硬さが、胸を丸くする「大胸筋」まで影響してしまうことがあるため、過度な硬さを作らないことが重要です。
Deep Front Arm Line(DFAL)

DFALは、身体の深層前面を通る筋肉のラインで、肩甲骨を前に引っ張り、胸を丸くする小胸筋から、上腕、前腕を介して、親指を動かす「母指球筋」と繋がっております。
長時間のキーボード動作や、親指で操作するトラックボール付きのマウスの使いすぎで硬さが生じてしまうことがあります。
「母指球筋」の硬さが、肩甲骨を前に引っ張る「小胸筋」まで影響してしまうことがあるため、過度な硬さを作らないことが重要です。
次の項目では、ご紹介した3つの筋肉をストレッチする方法を解説します。
肩こりを予防する「前腕・手首」ストレッチ紹介
ここからは、前腕のストレッチを、「前腕屈筋群」「前腕伸筋群」「母指」の3つに分けて紹介していきます。
前腕屈筋群ストレッチ
- ①テーブル等に手のひらをつき、指先を自分の身体の方へ向くようにする。
- ②手のひらが浮かないように、手首の前を伸ばしていく。
- ③前腕の手のひら側が伸びていることを感じる。

前腕伸筋群ストレッチ
- ①手の甲を持ち、自分の方に曲げていく。
- ②前腕の手の甲側が伸びていることを感じる。

母指球筋ストレッチ
- ①親指を外に開きながら反らしていく。
- ②親指の付け根が伸びていることを感じる。

まとめ
今回は、肩こりに繋がりやすい「前腕」の筋肉のストレッチをご紹介させて頂きました。
しかし、いくらセルフチェックで気をつけていても、細かい身体の問題や、改善点等は自らでは気付けないことも多々あります。
そのため、会社にフィジカルケアの専門家を派遣して、定期的に不調を予防することも非常に有用です。
弊社では企業内に出張し、社員様の身体状況をチェックした上でストレッチを提供し、身体的不調を改善するサービスを提供させて頂いております。
また、企業様向けにヘルスリテラシーに関するセミナーやイベント、グループセッションなどの提案も行っていますのでぜひお気軽にお問い合わせください。
参考文献
Thomas W. Myers(2022),アナトミー・トレイン 第4版 徒手運動療法のための筋膜経線
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